賃貸借とは? 【北区で相続のご相談】
前回は『使用貸借』について記載しました。
相続税申告や贈与税申告の際に使用貸借の考え方は非常に重要ですが、今回は使用貸借と密接な関係のある『賃貸借』について民法での一般的な取扱いのご説明させていただきます。
① 賃貸借の定義
賃貸借は民法601条に規定されています。
(賃貸借)
第601条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
賃貸借契約は、諾成契約・双務契約・有償契約となります。
簡単にまとまると、当事者の合意のみで成立し(諾成契約)、当事者双方が対価性を有する債務を負担し(双務契約)、当事者双方が経済的な出捐をする(有償契約)です。
相続税の世界では、不動産の賃貸借契約の有無で相続税評価額が変わりますので、非常に重要なことがお分かりいただけると思います。
ある物を使用収益させ、賃料の支払いをし、契約終了時に返還することが要件ですが、税務上問題となることが多いのは、二番目の要件の『賃料の支払い』の部分です。
近隣の相場の賃料のやり取りをしていれば賃貸借と解釈して問題ないですが、例えば親族同士などの同族間取引で相場家賃のやり取りをしていないケース(例えば固定資産税相当額の何倍等)は使用貸借か賃貸借かの判断が難しくなります。
使用貸借と賃貸借の税務上の明確な線引きはありません。
その他、賃貸借は不動産だけではなく、例えば法人税でもリース取引の条文に賃貸借は記載されています。
② 賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間が民法604条に規定されています。
(賃貸借の存続期間)
第604条 賃貸借の存続期間は、五十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五十年を超えることができない。
賃貸借の存続期間の上限は50年とされておりますので、50年を超える契約をしたとしても50年に短縮されます。
なお、建物の賃貸借については借地借家法29条により適用が除外されています。
従いまして、通常の建物の賃貸借の最長期間には定めがないことになります。
使用貸借に該当するか賃貸借に該当するかは賃料だけではなく、民法の条文に照らして判断することも一つの大切な要因であると考えられます。
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